第10章 保健体育のお勉強
部活のない放課後、ゆめちゃんと一緒に帰ろうと僕がA組の教室を覗くとゆめちゃんの姿が見当たらなかった。
ゆめちゃんの机にはゆめちゃんのカバンとスポーツバッグが吊られている。
(トイレでも行ってるのかな。しばらくここで待っていよう)
僕が廊下の壁にもたれて待っているとゆめちゃんの友達の女の子二人がゆめちゃんのカバンとスポーツバッグを持って話しかけてきた。
「逢坂くん、今日部活ないの?」
「うん?そうだけど?」
「ゆめが5時間目の体育で倒れちゃって…保健室で休んでるの。逢坂くんゆめを家まで送っていってあげてくれない?」
「え…倒れた?…保健室?」
「これ…スポーツバッグに制服入れておいたから保健室に持っていってあげて。カバンと。それじゃよろしくね」
「うん、わかった。ありがとう」
僕は彼女達に礼を言って保健室へ向かった。
倒れたって…一体どうしたんだろう。
朝は別に普通だったような。
いや元気なかったかな?
いやそんなことないと思うけど…。
…というか。
5時間目に倒れて保健室に行ったということは6時間目はまるまる保健室にいたのか?
下手したらあのエロ保健医と二人きりで?
何か変なことされて…。
僕は廊下を走って保健室に向かった。