第4章 重力(R18)
「ひどい…」
「え…?」
「初めてなのに…バックでいかせるなんて…ひどいよ…」
私の目からボロボロと涙がこぼれ落ちる。
「え…ごめん?」
彼がとりあえず謝る。
「うわあーん…」
私は声をあげて思い切り泣き出した。
「ごめん…ごめんね…」
そう言って彼が私をギュッと抱き寄せる。
私は彼の胸に頭を乗せてわあわあ泣いた。
…
「…ごめんね。変なことで泣いて」
少し落ち着いた私は彼の胸の上で話す。
「ううん」
彼が私の髪をそっと撫でる。
「重くない?わたし」
「全然。平気だよ。掛け布団みたい」
「…えっと、そういう意味じゃなくて。すぐ泣いたりとかそういうの」
「ああ…」
そう言って彼はふふっと笑う。
「好きだよ。そういうところが」
「……」
彼の胸の上で彼の声を聞いているとだんだん眠くなってきた。
身体が沈んで吸い込まれていきそう。
「ゆめちゃんは僕のことが好き?」
「…うん。好き」
「ゆめちゃんが僕のことを好きでいてくれるなら、ずっと大事にしてあげる」
「……」
「だから…裏切っちゃダメだよ。絶対にダメだよ」
……
fin