第32章 もし雪山で遭難したら(R18)
「さむぅ。今日寒いよね。部屋の中も冷えてるね」
部活のない放課後。
私はいつものように逢坂くんの部屋に遊びに来てる。
「暖房いれるね。暖まるまで布団入ってたら?」
彼がエアコンのスイッチをピッといれる。
私の様子を見て微笑む。
「いいの? お邪魔しまーす」
制服のジャケットを脱いで、私は彼のベッドに忍び込む。
ベッドも冷たいけど…
彼の匂いのするお布団大好き。
彼もジャケットを脱ぐ。
そして脱ぎ捨てた私のジャケットも拾って、ハンガーにかけてくれる。
そして彼もベッドに入ってくる。
「えー。逢坂くんも入るのー? 狭いー」
と言いながらスペースを空ける私。
だって待ってたんだもん。
「僕のベッドだよ?」
彼が笑う。
彼に抱っこしてもらいやすいように私はちょっと身体を浮かせる。
彼が、ぎゅっ…て私を包んでくれる。
「あったかい…。あったかいね、逢坂くんの身体」
「もっと、あたためてあげる」
彼の手が私のブラウスのボタンを外し始める。
「なんで脱がすの? 寒いんだけど」
私は笑いながら、ちょっとだけ抵抗する。ちょっとだけ。
「雪山で遭難したら裸で温めあうんだよ? 知らない?」
「小説の話でしょ?」
「確かめてみようか」
私は身体の力を抜いて、彼がボタンを外す指を眺める。