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逢坂くんの彼女

第29章 媚薬キャンディ(R18)


「ゆめちゃん…ゆめちゃん…大丈夫? 起きて…ゆめちゃん」

遠くから私を呼ぶ声が。

う…ん…身体重い…ここどこ?

目を開ける。

「ん……紘夢……」

彼が顔を赤くする。

「え…? どうしたの? 急にそんな呼び方して…。べっ別に構わないけど…」

すごく照れながら彼が話す。

「あ…あれ? いつもの逢坂くん? ギリギリの逢坂くん?」

私は彼の腕をつかんで起き上がる。

私、寝てたんだ…。

「ギリギリ? 何が?」

彼が首を傾げる。

私は制服をちゃんと着たまま、彼の部屋のベッドで寝てた。パンツも濡れてない。

「夢だったんだ…」

私はつぶやく。

彼が私のことをそっと抱きしめる。

「怖い夢見てたんだね…。すごくうなされてたから…。
でも、もう大丈夫だよ。
僕がいるからね」

私の髪を優しく優しく撫でながら、彼がささやく。

あぁ…いつもの逢坂くんだ…。

私はぎゅっと彼に抱きつく。

しばらく抱っこされて落ち着いたので、私はゆっくり身体を離す。

彼はニッコリ微笑んで、私の頭をポンポンとしてくれる。

私も安心してニッコリ笑う。

「何か甘いものでも食べる? これ、もらい物なんだけど。クラスの人にもらって…」

彼が制服のポケットからキャンディを取り出す。

「え!」

私は驚いて、そのキャンディを手に取り眺める。

「テーマパークのお土産だって」

彼が説明する。

可愛いキャラクターのイラストの下にひらがなで「いちご」と書かれている。

「なんか、ホッとするパッケージだねぇ」

私は言う。彼は笑う。

「そうかな。よかったらどうぞ」

「ありがとう」

私は封を開いて、キャンディを口に入れる。

うん。慣れ親しんだ日本のいちご味。

やっぱり、よくわからないものを食べるときは気をつけないとね。

「美味しい」

私は彼の顔を見てニッコリ笑う。

「よかったね」

彼もニッコリと微笑んだ。優しく…。


fin

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