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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎 冨岡義勇★R18

第113章 決心〜冨岡義勇【微R】


ゆきは、隣の町まで辿り着いていた。

手にした小さな荷物を抱え、取り敢えずの宿を探して歩き回る。

しかしあいにく街は秋祭りの真っ只中で、どこを訪ねても満室だと断られてしまった。

行き場を失ったゆきは川辺の草むらに腰を下ろし、流れる水面をぼんやりと見つめて時間を過ごす。

この時、ゆきは腹部にかすかな違和感を覚えていた。

けれど、一人で無一郎の屋敷を抜け出してきた緊張と不安で心が張り詰めており、大したことではないと気にも留めていなかったのだ。

だが、夕闇が静かに迫る頃…突如として尋常ではない激痛がゆきを襲った。

体を折り曲げ、声を上げることもできぬまま腹を抱え込む…やがて意識は激痛の波に飲み込まれ、ゆきはそのまま川辺で倒れ伏してしまった。

ーーー

気が付くと、どこかで見覚えのある天井が目に入った。

いつか…見たことがある…この景色…。

朦朧とする意識の中、鉛のように重くなった身体は指一本動かない。

混乱する頭でぼんやりと天井を見上げていると、不意に上から自分を覗き込む顔があった。

その人物の姿に息をのみ、ゆきは完全に目が覚めた。

「大丈夫かァ?」

「不、不死川さん… どうして…」

声を絞り出すゆきに、不死川は鋭い目つきのまま事もなげに告げた。

任務の帰り道、川辺で倒れているゆきを見つけて自身の屋敷へ連れ帰ったのだという。

「…時透は任務で不在だ。仕方ねェから冨岡に知らせを飛ばした。もうすぐここに着くはずだァ」

無一郎や義勇に迷惑をかけまいと命がけで逃げ出したはずなのに…結局はまた迷惑をかけてしまった。

「取り敢えず安全にしていろォ…」

不死川は、部屋を出ていった。

門の前で、義勇の到着を待つために

暫くして血相を変えて義勇と幸が到着した。

「不死川!ゆきは無事か!?」

義勇が、慌てて中に入ろうとした腕を掴み引き留めた。

「な、何だ!?」

「おい、あいつ下腹部からその…血ィ流してやがったから医者に診せたんだが…時透との子を身籠ってやがったのか…!?」

その言葉に、義勇は少し間を置き答えた…

「あぁ…」

「…そうか…」

「それで、身体は大丈夫だったのか!?」

「……いや…」

不死川が、口籠る姿を見て義勇は全てを察した。

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