第3章 反逆の刃を空にかざす
そして、しばらくした後――
エレンが巨人化したことは、駐屯兵団の上層部に知られてしまい、彼は事情聴取のため連れて行かれてしまった。
そこにミカサ、アルミンは自分たちから着いていくようにしていた。
私は、場に居た者の中で最も階級が高かったため、
強制的に連行される形となる。
連れて行かれたのは、他の兵士たちが待機している場所とは離れた薄暗い空間だった。
着いた瞬間、私たちは駐屯兵に囲まれ、銃口が向けられる。
「…随分物騒だ」
いや、当然だろう。
人類にとって、巨人化する人間とは未知の存在であり、理性の前に恐怖しかない。
彼らの視線は、エレンを化け物でも見るかのように揺れており、わずかに体を後ろに引きながら怯えている。
ミカサはその対応に嫌悪を示し、私たちより一歩前に出て、
警戒心丸出しの姿勢で威嚇する。
肩に力が入り、瞳が鋭く光っている。
私も、エレンを守るために彼の前に立つ。
アルミンは未だに気絶しているエレンを抱え、手に汗を握っている。
銃口と人間の間で張り詰める空気。
緊張で胸の鼓動が耳に響き、体の感覚が研ぎ澄まされる。
しばらくの間、この静かな攻防が続いていた。