第3章 【始まりはいつも突然っとミサカは決めポーズで言い放ちます。】
「……貴方は"その力"が怖くて、"寂しい"のですねっとミサカは貴方の手を優しく握ってみます。」
「…ッッ!」
優しい言葉に、ずっと言われたかった言葉に、平和島は顔を歪める。
平和島は10841号の変わらない無表情が優しげな表情に見えた。
「おー、よしよしっとミサカは母親気分を味わいながら貴方の頭を撫でます。」
ぷるぷるっと背伸びした足を震わせながら、それでも高い平和島の頭を指先やっとで優しく触れる。
そんな10841号に平和島ほ無意識に屈んで居たーーー。
おぉー、撫でやすい‥などっと言いながら、今度はちゃんと手いっぱいで平和島の頭を撫でる10841号。
「…貴方と同じ様に自分の"巨大過ぎる力"に苦悩して居た"ある人"を知っています。っとミサカは"その人"の様に貴方も”大丈夫”と慰めます。」
「俺と、同じ…」
「はい。」
胸に巣食う"シコリ"の様なモノが取れた様な気がした…
「………ありがとな…」
「…。‥もっと感謝してくれても良いんですよ?とミサカはキメ顔で提案してみます。」
「……半減だ、馬鹿」
楽しそうに笑う平和島。
平和島のデコピンにそこもまた無表情に「痛い、これは痛い」っと態とらしく額を撫でる10841号の姿が酷く可愛らしい。
「ハハハッ!」
こんなに楽しいのはいつ振りだろうか??
相当前なのは確かだろう。
楽しげな平和島に10841号は微かに、本当に微かに口元を上げた…
「ーーー気に入らないなぁ…」
先程電話であの場から離れた折原。
10841号と平和島の様子を不機嫌そうに見つめて居た…
この出会いが、”全て”の始まり。
はじっまっりっは、いーつーもーとーつぜっんっっ