第21章 『挑発×理性崩壊』土方歳三編*
「土方さんって、口付け、上手そうですね」
夕刻。彼が煙管をくゆらせている隣で、
あえてゆるっとした笑みで呟いてみる。
「……なんだ急に」
「ふと思っただけです。だって、土方さんって色っぽいし……いつも余裕って感じなので」
ちら、と横目で見上げると――
確実に一瞬、彼の指が止まった。
「もしかして……ちょっと、ドキッとしました?」
「してねぇ」
「……顔、ちょっとだけ赤くなってますよ」
さらに、もう少し。
わたしは土方さんに身体を寄せて、そっと胸元を彼の腕に当てながら甘えてみた。
「わたしがその気になったら……土方さん、どれくらい我慢できるのかな……」
「……」
「''試してみますか?''」