第14章 🩶斎藤一ルート
『夜の告白編』
部屋の障子越しの月明かり。
斎藤さんは、わたしの隣で静かに正座をしていた。
「俺は感情を言葉にするのが苦手だ。……だが、今日は言う」
視線を重ねてくるその瞳は、熱を帯びていて。
わたしの手をそっと取ると、指の一本ずつに優しくキスを落としていく。
「君が他の誰かを選んだとしても……それでも俺は、君を愛している」
「……そんなの、ずるいです……」
「ずるくていい。……君に触れたい。声を聞きたい。……唇も、欲しい」
そのまま、深く、静かなキス。
夜の闇に溶けていくほど、長くて、熱かった。