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【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第56章 羽織る温もり、奪われた光 ※


静寂。

そこに残っているのは、夜風だけ。

ホークスの手は、空を掴んだまま止まっていた。
ジーニストの繊維も、宙で止まる。

2人とも、理解が追いつかない。

ホ「……は……?」

信じられないように、呟く。

そして次の瞬間。
ホークスの目が、怒りで燃えた。

ホ「……今の…オールフォーワンの……ワープ……」

ホークスの低い声。
ジーニストの声は、静かだった。

だが確実に震えていた。

ジ「……奪われた」

さっきまでそこにいたはずのは、もうどこにもいない。

黒い泥も、跡形もなく消えている。

さっきまで。
さっきまで、そこにいた。

呼んでいた。

名前を呼ばれた声が、耳に残る。
ホークスの瞳が大きく見開かれる。

ホ「……っ!!」

地面を殴る。
鈍い音が響く。

ホ「くそ……っ……!」

すぐそこにいたのに。
手を伸ばしたのに。
届かなかった。

ジーニストは、その様子を見ていた。

その繊維はまだ宙に浮いたまま。
ゆっくりと、力なく落ちていく。

ジ「……」

声が出ない。

冷静でいるはずの頭が、うまく働かない。

ほんの数秒前まで、はここにいた。
守れる距離だった。

ホークスは立ち上がる。
顔は、もう笑っていない。

ホ「……連絡」

低く言う。

ホ「警察と……オールマイトさんに」

声が震えている。

ジーニストは、静かに頷いた。

だがその目は――
怒りと後悔で、暗く沈んでいた。
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