第56章 羽織る温もり、奪われた光 ※
それからすぐ、緊急回線。
受話器の向こうで、塚内の声が聞こえる。
塚「ホークス?どうした、こんな時間に――」
ホ「攫われました」
言葉が、落ちる。
一瞬の沈黙。
塚「……誰が」
ホークスは、歯を食いしばる。
ホ「………、が」
受話器の向こうで、息を呑む音。
ホ「オールフォーワンのワープです」
声が、低くなる。
ホ「俺とジーニストさんの目の前で」
ホークスは、拳を握る。
ホ「……止められなかった」
塚内の声が、重くなる。
塚「……すぐに共有する」
通話はそのまま、別回線へ繋がる。
次に聞こえたのは、オールマイトの声だった。
オ「……今の話は、本当か」
ホークスは答える。
ホ「……はい」
短い沈黙。
そのあと、別の息遣いが聞こえる。
荒い呼吸。
そして、緑谷の声。
緑「……今」
震えている。
緑「……今、なんて言いました……?」
ホークスは目を閉じる。
ホ「……が…、攫われた」
その瞬間。
受話器の向こうで、何かが落ちる音がした。
緑「……っ」
息が詰まる。
緑「……嘘だ」
小さく呟く。
緑「嘘だ……」
だが。
すぐに、声が変わる。
震えが消える。
代わりに。
怒りと、焦り。
緑「……早く居場所を突き止めます」
低い声。
拳を握る音が聞こえる。
緑「すぐ…。今すぐに…」
呼吸が荒い。
緑「探します」
その声には、はっきりと怒りと焦燥、そして心配が混ざっていた。