第56章 羽織る温もり、奪われた光 ※
次の瞬間。
泥が、爆発するように溢れた。
ぐちゃり、と音を立てながら。
空間が歪む。
ホ「――っ!!」
ホークスが飛び出し、少ない翼が広がる。
だが、泥は一瞬で膨れ上がり、の身体を飲み込んでいく。
「……っ、や……」
足が沈む。
腕が取られる。
ホ「!!」
ジーニストの繊維が一斉に伸びる。
だが泥は、触れた瞬間すり抜ける。
まるで最初からそこにいないかのように。
の身体が、胸まで沈む。
その瞬間。
は、顔を上げた。
2人を見た。
恐怖に揺れた瞳。
「……けい……ご……っ」
声が震える。
そして。
「……維……さん……」
必死に手を伸ばす。
でも届かない。
ホークスの指先が、あと少しのところで空を切る。
ホ「くそ……っ!!」
泥が、一気に飲み込む。
「――っ!!」
最後に、掠れた声。
「……いや……っ……」
どぷり。
音を立てて。
の身体は――
完全に、消えた。