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【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第56章 羽織る温もり、奪われた光 ※


ジーニストの腕の中で、の震えはまだ止まらなかった。

涙は少し落ち着いたはずなのに、胸の奥は、まだ波打っている。

は、ジーニストの服をぎゅっと掴んだ。
離れたくない、というより、離れたら崩れてしまいそうだった。

ジーニストはそれを振りほどかない。
ただ静かに、の背に手を置いた。

落ち着いた声で言う。

ジ「……人は、辛い時ほど誰かの温もりを求める」

少しだけ距離を取り、を見る。
逃げ場を作るように。

ジ「今のが求めているのが、私でなくても構わない」

の瞳が揺れる。

ジ「だが」

ジーニストは静かに続ける。

シ「今、ここにいるのは私だ」

その言葉と同時に、もう一度唇が触れた。

さっきより、長い。
逃げ場を与えないキス。

「んん…っ」

けれど強引ではない。
包み込むような、深い口づけ。

離れたとき、の呼吸は少し乱れていた。

ジーニストは低く言う。

ジ「……今夜だけでも」

夜風が髪を揺らす。

ジ「私を羽織るかい」

の思考は、そこで止まった。
何も考えたくなかった。

オールフォーワンのこと、血のこと、この世界のこと。
雄英のこと、置いてきた人たちのことも。

「……考えたくない」

かすれた声だった。

ジーニストの服を、ぎゅっと掴む。

「何も……」

息が震える。

「何も考えたくない……」

視線を落としたまま、続ける。

「…考えられないようにして…………」

その言葉は、ほとんど懇願だった。

沈黙が落ちる。
ジーニストは一瞬だけ目を細め、静かに息を吐いた。

そして、の頬に手を添えた。
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