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【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第56章 羽織る温もり、奪われた光 ※


言葉が出ない。
ただ、息が浅くなる。

守ると言われても、奪うでもなく、縛るでもなく。
ただそこにいると告げられる。

胸の奥が、痛いほど熱い。

「……維さん」

声が震える。

その瞬間、ジーニストの手が、再びの頬に触れた。

今度は、少しだけ強く。

そして――




唇が重なる。

先ほどの口づけより、深い。

確かめるように。
静かに、ゆっくりと。

「んっ…ぅ……はぁっ…」

の肩が、震える。
ジーニストの指が、そっと頬を撫でる。

離れたとき、の目からぽろりと涙が落ちた。

「……っ」

慌てて顔を伏せる。

「……なんで……」

声が震える。

「なんで……そんな優しいこと言うんですか……」

涙が、止まらない。
言葉が途切れる。

「雄英も……みんなも置いてきて……」

頭に浮かぶ。

温かかった腕の中。
強い想い、真っ直ぐな目。
机の上に置いたネックレス。

「それなのに……」

声が崩れる。

「まだ誰かに縋って……」

涙が頬を伝う。

「こんなの……」

小さく、呟く。

その時。
ジーニストの腕が、静かにを引き寄せた。

抱きしめるというより、包むように。

ジ「……ずるくない」

落ち着いた声。

ジ「人は、寒い時に震える」

髪に触れる。

ジ「それは、恥ではない」

の肩が、また震えた。

ジーニストは続ける。

ジ「震える夜に、羽織るものがある」

静かに言う。

ジ「それだけだ」

の涙は、しばらく止まらなかった。

ジーニストの胸元に顔を埋めたまま。
声を押し殺して泣き続けた。
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