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【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第56章 羽織る温もり、奪われた光 ※


ジーニストの声は、穏やかに続いた。

ジ「そして上着には、もう一つ役割がある」

を見る。

ジ「傷や、震え。見せたくないものを、静かに覆う」

一拍。

ジ「人前で強く立つための――“外套”だ」

の胸が、きゅっと締まる。
ジーニストは、静かに言った。

ジ「」

真っ直ぐ名前を呼ぶ。

ジ「私は、にとっての上着でありたい」

風が止まる。

ジ「常に必要な存在でなくてもいい。普段は、そこに掛けてあるだけでいい」

ゆっくりと言葉を選ぶ。

ジ「だが、寒い時。どうしようもなく心が震える時」

視線が優しくなる。

ジ「私を羽織ってほしい」

わずかに、口元が緩む。

ジ「守ることも、包むことも、隠すことも出来る」

の目を見て、静かに告げた。

ジ「すべてから守る、とは言わない」

だが、と続ける。

ジ「少なくとも――が寒さに震える夜には」

ほんの少しだけ、距離を詰める。

ジ「私が、覆いたい」

そして。

ジ「それが、私の想いだ」

ジーニストの言葉が、静かに落ちる。

夜は静かだった。
風の音だけが、遠くで揺れている。

は、すぐに言葉が出なかった。

胸の奥が、じんわりと熱い。

(……あたたかい)

包まれるような言葉だった。

強引でもない。
奪うわけでもない。

ただ、そこにあると告げるような――

(こんなふうに、言ってもらえるなんて…)

喉が少しだけ詰まる。

けれど。

「……そんな」

小さく首を振る。

「そんな都合のいいこと……」

視線が揺れる。

「私だけ守ってもらうなんて……」

罪悪感が滲む声だった。

ホークスに縋っている自分。
雄英を置いてきた自分。

そんな自分が、こんな優しさまで受け取っていいのか。

は、言葉を探すように俯く。
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