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【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第56章 羽織る温もり、奪われた光 ※


夜明け前、まだ空が色を持たない時間。

は、目を覚ますたびに、思い出してはいけない人を思い出してしまう。

声、背中、静かな優しさ、温もり。

(……なんで)

そのたびに、は意識的に、ホークスの方へ身を寄せた。

「……啓悟」

名前を呼ぶ。
それだけで、胸が少し楽になるから。

ホークスは、気づいている。

この縋り方が、「愛」だけじゃないことも。
「逃げ」だってことも。

でも、腕を離せない。

ホ「ん、…」

を引き寄せる。

拒まない。
疑問も、投げない。

ホ「俺は、ここにおる」

それだけを、何度も言う。

は、ホークスの服を掴む。

強く。
離れないように。

「……ごめんね」

ホ「は何も謝ることないとよ」

ホークスは、額にキスを落とす。

ホ「やけん、謝らんで。縋ってくれて、嬉しか」

それが、どれだけ歪んだ喜びでも。

ホ「今、が一番近くにおってくれるなら、それでいい」

「ありがとう…啓悟」

ホ「ん、大好きやけん」

愛の囁きとともに、優しくキスがまた降ってきた。

の心が、少しずつ、元居た場所から遠ざかっていく。
薄れていくというより、上から、ホークスの温度で塗り潰されていく。




かつて、相澤たちがホークスの温度を塗りつぶしていたように。
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