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【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第55章 告げられる想い、壊れていく心 ※


――今まで、体を重ねたことがなかったわけじゃない。
発作のたび、を守るため。
感情を脇に置いて、ただ“必要だから”触れてきた。

それでも、想いだけは伝えなかった。

教師として、同僚として。
この関係に、名前をつけないために。

もし気持ちを伝えてしまえば。
を困らせるかもしれない。
気を遣わせるかもしれない。
クラスの空気が、壊れてしまうかもしれない。

――何より、今の距離が心地よかった。

一番近くにいて、隣に立って、言葉にしなくても通じる場所で、支え合っていけるなら。

それでいい。
それで、いいはずだった。

……そう思い込んで。

相「……」

相澤は、苦く息を吐く。

結局それは、守っていたんじゃない。
――逃げていただけだ。

自分の感情から。
壊してしまう未来から。
手を伸ばす勇気から。

相澤は、ゆっくりとを引き寄せた。

力いっぱい。
逃げ道を塞ぐみたいに。

「……っ……」

の額が、相澤の肩にぶつかる。
その瞬間、張り詰めていたものが、全部決壊した。

相「……ずっと」

震える息。
低く、掠れた声。

相「……気づいてた。自分の気持ちに」

腕に、力がこもる。

相「……それでも、線を引いた。教師だから。大人だから……」

自嘲するように。

相「……卑怯だよな」

は、何も言わない。
ただ、相澤の服を強く掴む。

相「……でも」

相澤は、の額に額を押し当てた。

相「……もう、無理だった。失いかけないと、言えないなんてな…」

静かに。
それでも、はっきりと。

相「もう一度、聞いてくれ…」

そっと、唇が触れる。
深くない。
確かめるような、震えるキス。





相「……好きだ」





一拍。





相「……ずっと前からだ」

の喉が、小さく鳴る。
相澤は、息を整えるように続ける。

相「……守るって決めてた。支えるって決めてた。それ以上、望まないって……」

声が、わずかに崩れる。

相「……でも、もう抑えられない」

そして、最後に。







相「……愛してる」
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