• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第55章 告げられる想い、壊れていく心 ※


そしてついに最後。
雄英を出る前日の夜。

は覚悟を決めて、その人の部屋を訪れた。

扉を開けた相澤は、一瞬だけ目を見開く。

相「……」

無精ひげも、疲れた目も、いつも通り。
声の低さ、雰囲気、全てが安心する。

「……少し、会いたくなって」

それだけ言うと、相澤は何も聞かなかった。
ただ、体を横にずらして道を空ける。

相「……入れ」

部屋は静かだった。

夜の雄英。
カーテン越しの月明かりだけが、淡く床を照らしている。

ふたりきり。
それだけで、胸が苦しくなる。

相「……調子は」

「……大丈夫です」

嘘だと、わかった。
でも、それ以上踏み込まないのが、今までの2人だった。

は、座る相澤の隣に腰を下ろす。
少し近いだけで、心臓がうるさくなる。

触れたい。
抱きしめて欲しい。

無意識に、は相澤の袖を掴んでいた。

「……あ」

相澤が、視線を落とす。

相「……どうした」

その声に、の押さえ込んでいた感情が溢れ出す。

涙があふれる。

離れたくない。
ずっと隣にいたい。
そばにいて欲しい。

そんなわがままで身勝手な感情がとめどなく溢れてくる。

相「泣くな…大丈夫だ。俺がいる」

そうやっていつも、近くで支えてそばにいてくれた。
何があっても味方でいてくれて、どんな小さなことにも気付いてくれて、守ってくれて、優しくしてくれて、愛してくれて。

だから、だからこそ、好きになった。

「消太さん……。抱いて…ください…」

その一言で、相澤の中で、何かが音を立てて崩れた。

相「……っ」

呼吸が、やけに重い。

相「……それは……」

言いかけて、言葉を飲み込む。
/ 742ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp