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【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第55章 告げられる想い、壊れていく心 ※


セントラル病院の白い廊下。
は、誰かに支えられながら、ゆっくりと歩いていた。

足取りはまだ不安定で、目には――ほんの少しだけ光が戻っている。
けれどそれは、生きている証明でしかなくて、壊れたまま、立っているだけだった。

相澤も、爆豪も、轟も、ホークスも、誰も「大丈夫か」なんて聞かなかった。

聞けば、きっと壊れると分かっていたから。

緑谷もまた、同じように静かだった。

寮に戻ってから、出ていく準備は、淡々と進められる。
なるべく気付かれないよう、不要なものは処分して、必要最低限のものだけまとめる。

は、その準備をしながら決めていた。

行く前に、どうしても会わなきゃいけない人たちがいる。

それは、別れを告げるため。
自分の中で、終わらせるためだった。

__________

轟の部屋を訪ねたのは、夕方だった。

ドアをノックすると、少し間があって、轟が顔を出す。

轟「……?」

扉が開き、轟が目を見開いた。

轟「?」

少し驚いた顔。
それから、ゆっくりと柔らぐ。

「少し、会いたくなって……」

その一言に、轟は一瞬言葉を失う。
相澤でもなく、爆豪でもなく、自分のところに来たという事実が、胸を強く打った。

轟「……俺も」

小さく息を吸って、

轟「俺も、会いたかった」

その声に、の胸がぎゅっと締め付けられる。
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