第55章 告げられる想い、壊れていく心 ※
が目を覚ましたという知らせは、病院中を駆け抜けた。
最初に病室の扉を開けたのは——爆豪勝己だった。
息が、荒い。
怪我人のそれを無視した、無茶な走り方。
爆「……っ」
ベッドの上にいるを見た瞬間、爆豪の喉が、ひくりと鳴った。
「……勝、己……?」
その名前を呼ばれただけで、爆豪の感情は、全部決壊した。
ベッド脇まで来て、何も言わずに、の手を掴む。
強い。
でも、震えている。
爆「…よかっ…た…」
声が、かすれる。
爆「……クソ……ほんと……」
「……心配、かけて……ごめ……」
最後まで言わせなかった。
爆「」
名前を呼んだ。
爆「無理しすぎなんだよ…んっとによ…。もしが死んだらって考えちまって…。だから、起きたらまた伝えるって決めてた」
爆豪は、を見下ろす。
この目だ。
ずっと、何度も、逃げずに向けてきた目。
爆「俺はな、何回拒否られても、何回答えなくても……それでも、好きだ」
何度目かわからない告白。
でも、声色は変わらない。
一度も、揺らいだことがない。
爆「が誰助けて、何背負って、どんだけボロボロになっても。それでも俺は、が好きだ。今も、これからもずっと」
の胸が、痛む。
——知ってる。
——ずっと、知ってた。
「……勝己……」
言葉が、続かない。
答えられない。
今も、これからも。
爆豪は、それを分かっている。
それでも。
爆「……いい。答えなくていい。でもな、俺が好きだってことだけは、消すな」
ぐっと、の額に自分の額をつける。
爆「……生きててくれて、ありがとな…」
その瞬間、病室の外が騒がしくなった。
次々に集まってくる生徒たち。
緑谷、轟、飯田、切島、上鳴、瀬呂……
雄英の教師陣や、ホークス、ジーニスト。
視線は、無意識のうちにへ集まっている。
誰も口には出さない。
でも、"失いたくなかった"その気持ちが、痛いほど滲んでいた。