第55章 告げられる想い、壊れていく心 ※
爆豪の拳が、震える。
爆「……ふざけんなよ……」
声が、掠れる。
爆「じゃあは…」
歯を食いしばり、涙をこらえきれず、壁を殴る。
轟は、肩を震わせる。
轟「……うそ、だろ…」
緑谷は、床に手をついたまま、嗚咽を漏らす。
緑「…そんな…、ちゃん…いつも嬉しそうに….この血が人を救うんだって……そう言って…」
相澤は、一度言葉を切った。
喉が詰まるのを、無理やり飲み込む。
相「……それと……もう一つ」
相「の個性は……“快気”じゃない」
生徒たちが、顔を上げる。
相「正式名称は"回帰"だ」
その単語が、落ちた瞬間。
理解が、遅れて追いつく。
相「治すんじゃない……“戻す”。傷つく前、壊れる前……最も良い状態に…………」
爆豪の喉が、ひくりと鳴る。
轟「……戻す…」
緑「……そんな…すごい力…」
相「……あぁ」
相澤は息を吐きながら続けた。
相「…血も、能力も……オールフォーワンにとっては……喉から手が出るほど、欲しいものだった」
言葉が終わる前に、爆豪が顔を覆って崩れ落ちる。
爆「……っ、クソ……」
轟は、唇を噛み切り、血をにじませる。
緑谷は、ただ震えながら泣いていた。
他の生徒も、泣きながら、崩れ落ちていった。
誰も、立ち直れなかった。
それが、が一人で背負っていた“地獄”だった。