第55章 告げられる想い、壊れていく心 ※
数日後。
塚内をはじめとする警察が、全ての情報を集約した。
戦場の記録、ヴィラン側の証言、押収データ。
それは公安へと渡され、一つの報告書にまとめられる。
それを相澤が受け取った。
ページをめくるごとに、“知らなかったほうがよかった事実”が並んでいた。
病室の外、静かな会議室。
報告書に目を通した瞬間、相澤の表情が、凍りつく。
視線が、文字を追う。
の血がオールフォーワン、殻木、脳無に。
相(文字にすると…来るな)
さらに、追い打ち。
――荼毘の正体。
――轟燈矢。
相(…これ…爆弾どころじゃない……)
胸が締め付けられる。
呼吸が浅くなる。
血を利用され、存在を踏みにじられ、それでも立ち続けた。
そして、その真実を知ったがどれほど壊れたか。
想像できてしまうのが、一番残酷だった。
それから報告書には、エンデヴァーが戦闘中に呟いたワンフォーオールの文字。
だが今の相澤にはのことしか目に入らなかった。
相澤は、報告書を閉じた。
逃げたかった。
だが、逃げる資格はなかった。
病室前に、生徒たちが集まっていた。
爆豪が、一歩前に出る。
爆「……公安から……報告書、あがってんだろ」
轟も、続く。
轟「に……何があったのか……教えてください」
緑谷は、深く頭を下げた。
緑「お願いします……」
相澤は、目を伏せる。
相「……いずれ……この内容は、メディアに出る。だから……先に話す」
その声は、低く、重かった。
相「の血は……」
言葉を選ぶ余裕はなかった。
相「オールフォーワンに、殻木に……脳無の製造に……使われていた」
その瞬間、空気が壊れた。
爆豪の目が、見開かれる。
爆「……は?」
轟は、言葉を失い、立ち尽くす。
緑谷は、理解するまでに数秒かかり、理解した瞬間膝から崩れ落ちた。
相「本人は……それを、途中で知った。それでも……戦場に立った。……自分が壊れると分かっていてだ」