第54章 暴かれる真実、踏み潰される祈り
相澤は、そこで倒れた。
意識は辛うじて繋がっているが、個性はもう消せない。
その瞬間を、死柄木は逃さなかった。
地面へ、指を伸ばす。
だが、黒い鞭が地を裂いた。
その一本一本が、死柄木と、周囲にいたヒーローたちを絡め取る。
緑谷の身体が、ふわりと浮いた。
新たな力、七代目の個性《浮遊》。
緑谷は、全員を地面から引き剥がした。
崩壊が、届かない高さへ。
慎重に、慎重に。
死柄木“以外”を、地面へと降ろしていく。
残されたのは空中に拘束された、死柄木。
緑谷は、歯を食いしばる。
殴る、蹴る、叩き込む。
再生は明らかに遅くなっている、効いている。
だが、このままでは、先に尽きる。
そう判断したのは、爆豪だった。
爆豪はエンデヴァーの背を掴み、轟と共に爆発で一気に上空へと跳ね上がる。
爆「今だ!!」
エンデヴァーは、即座に応じた。
死柄木の動きを拘束し、全身に炎を纏わせる。
灼熱、爆音。
死柄木の身体は、黒く焦げつき、形を失った。
――それでも、死なない。
次の瞬間死柄木の身体から、黒い“針”のようなものが、伸びた。
速い、鋭い。
まず、エンデヴァーを貫く。
エ「……ぐっ!!」
さらに、それは――緑谷へ。
直撃する、はずだった。
緑「……っ!!」
爆豪が、緑谷を突き飛ばした。
その身体が、黒い針に、貫かれる。
空中で、血が舞う。
緑谷の目が、見開かれた。
緑「……かっちゃん…っ…!!!」