第54章 暴かれる真実、踏み潰される祈り
息も、痛みも、考えない。
ただ、前へ。
罪を、削ぎ落とすように。
祈りを、刻むように。
マ「…どーしたってんだよ……」
マイクの呟きが、震えていた。
相澤は、拳を強く握る。
――ああ、これは。
守られる側じゃない。
自分で立ち、自分で背負う人間の姿だ。
そしては、開かれた道の先。
地下へと、歩みを進めていく。
⸻
地下へ続く通路は、地上とはまるで別の世界だった。
湿った空気、薬品と血の匂い。
機械音が、低く、絶え間なく響いている。
は、先頭を進む。
その背中を追うように、エンデヴァー、相澤、マイク、そしてプロヒーローたちが続く。
――来る。
曲がり角の向こうから、脳無。
次々と、現れる。
は、止まらない。
踏み込む、殴る、脳天を叩き潰す。
肉が弾け、骨が砕け、脳無は声を上げることすらできずに沈黙する。
エ「……速い」
エンデヴァーが、低く息を吐く。
相澤は、言葉を失ったまま、ただ、その背を追う。
の動きには、迷いがない。
感情はある。
だが、感傷がない。
――そして。
少し先で、異変があった。
鋼の衝突音。
そこには、クラストがいた。
複数体の脳無に囲まれ、盾を砕かれながら、踏みとどまっている。
ク「くっ……!」
次の瞬間、が間に割り込んだ。
何の前触れもなく、足が振り下ろされる。
――ゴンッ。
乾いた音。
脳無の頭部が、ひしゃげ、そのまま沈黙。
続けて、もう一体。
そして、もう一体。
クラストが、目を見開く。
ク「……っ、助かった……!」
は、振り返らない。
「どういたしまして」も、ない。
ただ、前へ。
地下の、さらに奥へ。