第54章 暴かれる真実、踏み潰される祈り
エンデヴァーの制止の声が、背後から飛ぶ。
エ「待て、イレイザー!」
だが。
相澤は、振り返らなかった。
その視線は、ただ一人。
殻木球大だけを、睨み据えている。
相「……黙れ」
低く、掠れた声。
次の瞬間。
――バッ!!
捕縛布が、音を切り裂いて飛んだ。
殻木の身体にきつく絡みつく。
マ「相澤!!」
殻「おっと……」
殻木は、抵抗するでもなく、むしろどこか楽しそうに、口角を歪めた。
殻「そんなに怒るな。“愛している”のじゃろう?」
その言葉が、相澤の最後の理性を、完全に切り落とした。
相「――ふざけるな」
捕縛布が、さらに締まる。
だが、殻木の身体が、どろり、と――
溶けた。
床に残ったのは、黒い粘液だけ。
マ「……ッ!?」
エ「……トゥワイスの個性」
殻「複製技術の存在がわかっていたなら、警戒すべきじゃったな」
天井に残響する、嗤い声。
殻「いや…無理な話か…」
エンデヴァーが舌打ちをする。
エ「……くそっ」
その時。
ミ《……エンデヴァー》
通信が割り込む。
荒い息と衝撃音。
ミルコの声。
ミ《動いてるぞ!!》
その瞬間。
――ドンッ!!!
床が、盛り上がった。
ひび割れ、破裂し、地面の下から。
肉と骨が混ざった、異形の群れが湧き出した。
脳無。
一体、二体じゃない。何十。
の視界が、揺れる。
湧き出る脳無。
その再生する肉体に、自分の血の感触が、重なって見えた。
(……私の……)
指先が、震える。
(……全部……)
立たなきゃ。
ヒーローなんだから。
分かっているのに。
身体が、言うことをきかない。