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【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第54章 暴かれる真実、踏み潰される祈り


殻「“あのお方”も、同じじゃ」

その名は出さない。
だが、背後に立つ存在を、全員が悟った。

殻「お前の血がなければ、あのお方も、ワシも、とっくに朽ちておったかもしれん」

殻「長い時間を生き、計画を進められたのは、すべてのおかげじゃ」

にやり、と。
殻木の笑みが、最悪の形で、完成する。

殻「なぜ“回帰”などと教えなかったか、分かるか?」

返事を待つ気など、最初からない。

殼「理由は二つじゃ。一つ、疑わせないため。疑いは力を鈍らせるからの。そしてもう一つ」

殻木は笑う。

殼「人を救わせるためじゃ。救われた人間は、お前を慕う。慕われれば愛される。愛されれば、お前の回帰は強くなる。……最初から、そのための”快気”じゃった」

言い終えた後、殻木は一度、息をつく。
――まるで、説明を終えた医者のように。

殻「回帰はな、孤独では発動せん」

その言葉に、相澤の眉が僅かに動く。

殻「人との繋がり、想い、執着――。そういう“縁”が強いほど、力は増す」

その場の誰も、言葉を挟めない。

殻「だから、お前の身体には“欲”を植えた。…求めるように。縋るように。愛を欲するように。多くに愛されれば愛されるほど……回帰は、強くなる」

殻木は嬉しそうに、こう言った。

殻「実に、合理的じゃろう?」

殻木は、満足そうに肩を竦めた。

殼「まぁ、結局は発作を抑える薬を作ることになったがの。こちらを疑われては困る。信用を失う方が、よほど損じゃ」

相「……最初から全部、お前らの掌の上だったってことかよ。………ふざけんな」

その視線が、ゆっくりと巡る。

相澤、マイク。
そして、最後に――エンデヴァー。

殻「……お前たちも、薄々は気づいておったじゃろう?」

相「……何を言っている」

低い声。

殻「の周りには、いつも人がおった。守ると言いながら、近づく者。心配すると言いながら、触れる者。支えると言いながら、手放さない者」

殻木は、わざとらしく肩をすくめる。

殻「それを全部……“善意”の一言で、片づけておったのか?」
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