第53章 特別な日、愛される幸せ
ページごとに、それぞれの個性が溢れている。
芦戸のページは、カラフルなシールやラメでいっぱいに飾られていた。
瀬呂は、自分の”テープ”をイメージしたデザインで写真を貼り付けている。
峰田はちゃっかり自分のサインを書き添え、「有名になった時、価値上がるから!」なんてコメントまで残していた。
切島のページは力強い文字で埋め尽くされ、耳郎のページには、小さな音符があちこちに踊っている。
ページをめくるたび、自然と笑みがこぼれた。
そして、轟のページで手が止まる。
写真の隣には、手紙のように丁寧な文字。
その最後には『これからも、ずっと笑っていてほしい』
優しく、真っ直ぐな言葉だった。
さらにページをめくる。
最後は、爆豪。
飾り気なんて何もない。
ただ、一言だけ。
『これからもちゃんと見てろ』
思わずページを撫でる。
爆豪らしい。
その一言に、全部詰まっていた。
「…………っ」
胸がいっぱいになる。
こんなアルバムを作るのに、どれだけ時間をかけたのだろう。
一人ひとりが、自分のために。
考えて。
悩んで。
書いてくれた。
「……ありがとう」
ぽろり、と涙がこぼれる。
アルバムを胸へ抱き寄せる。
ぎゅっと、大切な宝物を抱きしめるように。
上「ほらぁ!先生泣いちゃったじゃん!」
葉「先生〜!泣かないでよ〜!」
その言葉に、は涙を拭きながら笑う。
「うん……。ありがとう、みんな。また、宝物が増えたよ」
その笑顔を見て、A組全員が心の底から思った。
――頑張って作って、本当に良かった。