第53章 特別な日、愛される幸せ
その時だった。
芦「そ!の!ま!え!に!!」
葉「プレゼントターイム!!」
「えっ?」
きょとんと目を丸くする。
「…もう十分すぎるくらいもらったよ?」
朝からたくさんの「おめでとう」をもらった。
教卓いっぱいのお菓子。
みんなで作ってくれた料理。
そして、このケーキ。
これ以上、何をもらえるというのだろう。
上鳴が笑う。
上「何言ってんの?ちゃんとしたプレゼント、用意してるに決まってんじゃん!」
物「先生が、とびきり喜ぶものをね」
そう言うと、物間がソファの後ろから少し大きめのプレゼントバッグを抱えて現れた。
拳「これは、B組みんなから!」
泡「日頃の感謝を込めて」
回「毎日使ってもらえたら嬉しいです」
物間が少し照れ隠しをするように肩をすくめる。
物「先生、いつも荷物多いでしょう。資料だの救急セットだの、両手いっぱいに抱えて。見てるこっちが危なっかしいんですよ」
その言葉に、B組のみんなが何度も頷いた。
は袋を受け取り、小さく笑う。
「……開けても、いい?」
拳「もちろんです!」
袋から取り出した時、思わず息を呑んだ。
丈夫で、機能性に優れたリュック。
シンプルなデザインで、普段使いにもヒーロー活動にも使える、有名ブランドのものだった。
「こんな……いいもの……」
円「先生絶対そう言うと思った!」
塩「みんなで少しずつお金を出し合ったので、大丈夫ですよ」
ふと、肩ベルトに視線が止まる。
小さく、控えめな刺繍。
『』
ヒーロー名でもある、その名前。
胸が熱くなってら思わず目が潤む。
取「先生、中も見て!」
言われるままファスナーを開く。
内側にも、小さな刺繍が入っていた。
“From Class B”
その文字を見た瞬間、は思わず笑みを零した。
「ふふっ……」
あまりにもB組らしい。
まっすぐな想いが伝わってくるプレゼントだった。
は刺繍をそっと指でなぞる。
「ありがとう、大切に使うね」
B組の生徒たちは顔を見合わせ、嬉しそうに笑った。
(選んで良かった)
それだけで、みんなの胸はいっぱいになっていた。