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【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第52章 奪われた夜、青い炎 ※


夜の街。

ホークスは、人目につかないビルの屋上にいた。
風が、強い。

ホ(……最悪だな、ほんと)

手袋を外し、指先を見つめる。

ホ(抱きしめたかった。連れて帰りたかった。……上書き、したかった)

思考が、そこまで行って自分で止める。

ホ(ダメだ)

監視されている。

ホ(……あいつが、乱暴しなかったのは救い、か)

でも。

ホ(それで安心できるわけ、ないだろ)

胸の奥が、ひどく痛む。

あの姿。
乱れていない服、澄んだままの目。

ホ(……それが、余計に)

“奪われた”という事実だけが、確かに残っている。

ホ(俺は……何してた)

守るって決めたのに。
危険だって、わかってたのに。

ホ(……出会わなきゃよかった?)

一瞬、よぎる。
でもすぐに、否定する。

ホ(……違う)

出会えたから、知れた。

あの人が、どれだけ優しくて、どれだけ強いか。

ホークスは、空を仰ぐ。

ホ(俺が折れれば…日本が…終わる)

歯を食いしばる。

感情を、全部押し殺して。
笑顔の仮面を、思い浮かべて。

ホ(……明日も、いつも通りだ)

ヒーローとして。
協力者として。
“何も知らない男”として。

それが、を守るための、が笑って暮らせる世界を作るための、唯一の形だから。

たとえ、自分が壊れても。

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