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【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第52章 奪われた夜、青い炎 ※


ホ「………じゃ、もっと夜景が綺麗なとこ、行きましょうか」

夜の風が肌を撫で、街の灯りが宝石みたいに瞬く。
ホークスの腕に抱えられ、は空を滑っていた。

ホ「今日空気うまいっすね。デートにはちょうどいい感じで」

声のトーンも、笑い方も、いつも通り。
だからこそ、心臓の鼓動だけが異物だった。

ホ(どうする……?どうすれば守れる?クソッ、時間がない)

ホークスの翼が小さく震える。

はその振動に気づいていたけれど、触れはしなかった。

「……綺麗ですね、ホークスさん」

ホ「でしょ? まぁ、俺と飛べばどこだって最高っすよ」

「ふふ、そうかもしれません」

の瞳は揺らがない。

そしてホークスが高度を下げ、静かなビルの屋上へと降り立つ。

ホ「やっと着いた……っと」

翼を畳み、をゆっくり降ろした瞬間。

ズドォォンッ

空気が裂けた。

黒影が2つ、屋上に叩きつけられるように出現する。

脳無。

ホークスの瞳が一瞬で戦闘の鋭さに変わる。

ホ「ッ……!さん、下がって!!」

「ホークスさん、私も――」

足を一歩踏み出した、その瞬間。

荼「おっと」

声は、驚くほど近くて、静かだった。
背後から腕が伸び、手首を掴まれる。
身体が固まる。

その声。
その温度。
その匂い。

「……荼……、毘」

荼毘はゆっくりと笑う。
獲物を見つけた肉食獣のように。

荼「よォ。元気だったか、?」

青い炎の残り香が、夜風に溶ける。

ホークスは脳無2体を相手にしながら叫んだ。

ホ「っ!さん!触るなッ!!」

しかし近づけない。
羽は脳無に阻まれ、身体は抑え込まれている。

荼毘は、掴んだ手首をそのまま自分の胸元へ引き寄せる。

荼「……また会えて嬉しいよ。間が悪ぃけど、連れてくぜ?」

「や…めっ……!」

荼毘のもう片方の手には、黒い布。
ハンカチに薬品がたっぷり染み込んだもの。

荼「まぁ、力抜けよ」

ふわり、と甘い匂い。
布がの口元へ押し付けられた。

「んっ……!っ……!」

足から、力が抜ける。
視界が揺れ、遠ざかる。

ホークスの絶叫が、どこか遠くで聞こえた。
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