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【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第51章 祝福の日、初めて知る幸せ


それぞれが席につき、自然と今日の主役へ視線が集まる。

飯田が一歩前へ出た。

飯「みんな!」

委員長らしく背筋を伸ばし、部屋を見渡す。

飯「今日は轟くんの誕生日だ!盛大にお祝いしよう!」

「「おーー!!」」

砂藤がケーキを運び、ローソクへ火を灯す。

その瞬間、部屋の明かりがふっと消えた。
揺れる小さな炎だけが、静かな部屋を優しく照らす。

その灯りに照らされた轟の横顔は、どこか照れくさそうで、それでも嬉しさを隠しきれていなかった。

その表情を見たは、胸の奥がじんわりと温かくなる。

轟の歩んできた道を知っている。

家族みんなで笑いながら誕生日を祝う。
そんな当たり前の日常は、きっと轟には少なかった。

だからこそ、こうして友達に囲まれて笑っている姿が何より嬉しかった。

(……よかった)

心の中で、そっと微笑む。

飯「ではみんな!歌おう!」

葉隠がぱっと手を挙げた。

葉「歌といえばー!」

その場のみんなが嫌な予感を覚える。

葉「先生!」

「…え?」

突然名前を呼ばれ、きょとんと目を丸くする。

八百万も上品に微笑んだ。

八「先生を中心に歌いましょう」

芦戸も元気よく続く。

芦「さんせーい!」
切「先生、お願い!」
上「それが一番しっくりくる!」

気付けば、みんなの視線がへ集まっていた。

「えっと…」

少し照れながら笑う。

「…わかった」

優しく轟を見る。

「じゃあ、いくよ!」

「せーの!」

その合図とともに、の歌声を中心に、みんなの声が重なった。

♪「ハッピーバースデー トゥーユー」

温かな歌声が、リビングいっぱいに響いていく。
轟は目を細めながら、その歌を静かに聞いていた。

歌が終わる。

ふぅ——。
優しく息を吹きかけ、ローソクの火が消えた。

部屋がぱっと明るくなる。

「「「お誕生日おめでとう!!」」」

大きな拍手と、お祝いの声。

照れくさそうに笑う轟は、やはり嬉しさが滲んでいた。
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