第51章 祝福の日、初めて知る幸せ
は職員室へ戻る。
いつものように相澤の隣へ座り、パソコンを開く。
さっきまでの賑やかさが嘘のように、職員室にはキーボードを叩く音だけが静かに響いていた。
そんな中、不意に相澤が口を開く。
相「今日、あいつらのとこ行くんだろ」
は顔を上げる。
「はい!焦凍のお誕生日会をするみたいで」
少し笑ってから、思い付いたように続けた。
「消太さんも一緒に行きませんか?」
相澤は手を止めることなく、小さく首を振る。
相「俺はいい」
少し間を置いて。
相「俺がいたら、あいつらも気休まらねぇだろ」
その言葉に、は少しだけ残念そうに笑った。
「そっか…」
けれど、すぐに気持ちを切り替える。
大切な誕生日。
みんなできっと賑やかに祝うのだろう。
そう思うと自然と笑みがこぼれた。
そのためにも、早く仕事を終わらせなくては。
は再びパソコンへ向き直り、仕事を進めていく。
そして、予定より少しだけ早く仕事を終えることができた。
「お疲れ様でした!」
職員室へ明るい声が響く。
「「お疲れ様!」」
笑顔で頭を下げると、は足早に職員室を後にした。
向かう先は、生徒寮。
その背中を見送りながら、書類をまとめていたマイクがふと口を開く。
マ「今日、轟の誕生日なんだってな」
相「あぁ」
マ「ってほんとすげぇよなぁ。生徒の誕生日も、ちゃんと覚えてんだもんな」
相澤は小さく息を吐く。
相「あいつは……そういう奴だ」
マイクは苦笑しながら肩を竦める。
マ「だから困るんだよなぁ」
相「…あぁ。まったくだ…」
2人とも、それ以上は何も言わなかった。
だから、好きになる。
その言葉だけは、胸の奥へしまい込む。
生徒だから。
教師だから。
そんな立場は関係ない。
の優しさに触れた者は、きっと誰もが心を惹かれてしまうのだから。