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【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第50章 揺らぐ静寂、寄り添う想い ※


机に本を置き、恐る恐るページを開く。

パラ…パラ…

そこには大量のマーカー。
そして、一枚の便箋。

指先が震える。

『〇日、会いませんか?19:00に〇〇駅で待ちます』

淡々としているのに、どこか乾いた文面。

(……啓悟、これ…何?なんで?)

違和感が胸に波のように広がる。
そして、ふっと――あの日の声がよみがえる。

──「俺といると……まで色が濁る」
──「言ったら…もう戻れんくなる」
──「離れんと…止まれんくなる」

ぼやけた視界の中で、あの日のホークスの背中が浮かぶ。

あの時、最後みたいな顔をしていた。
触れたら崩れそうな声で、言いたくもない言葉を押し付けて、自分を手放した。

胸がえぐられるように痛む。

そのとき、脳裏にふっと蘇る。

──“2番目のおすすめ”。

(……2番目?)

ページを開き、マーカーの「2文字目だけ」を追う。

震える指で、必死に。

浮かび上がったメッセージは、ホークスの軽薄な笑顔とは真逆の、切実な言葉だった。

『くるな だび きけん あなたをまもるため どうか こないで』

ページを閉じた瞬間、喉の奥がぎゅっと詰まり、呼吸がひっかかった。

(荼毘…?ということは…)

胸の奥で何かが千切れる音がした。

——ホークスは今、敵連合に潜入している。
——監視されている。
——言葉も、映像も残せない。

だから、本に。
だから、暗号に。
だから、あんな嘘みたいな笑顔で、私を避けた。

(……私を守るため……?あの日のあの言葉も……だから……?)

堪えていた涙が、ひと筋こぼれた。

助けたいのに、触れることすらできない距離。
声をかけたら崩れてしまいそうなホークスを、支えられる力が自分にはないことが悔しくてたまらない。

胸に手をあてて、ぎゅっと押さえる。

(啓悟……1人でどれだけ大きなものを背負ってるの…?)

はそっと目を閉じて、静かに決意を固めた。
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