第50章 揺らぐ静寂、寄り添う想い ※
年明けから爆豪たち3人は、一週間の泊まり込みインターンを終え、雄英へ戻ってきた。
戻るなり、3人はまっすぐの部屋へ向かった。
コンコン、とノック。
その音にほとんど重なるように扉が開く
緑「ちゃんあけましておめでとう!戻りました!」
「あけましておめでとう!そしておかえり。3人とも、顔つきが少し大人になったね」
は微笑み、椅子を指し示した。
3人は、休む間もなく次々とインターンでの出来事を語り始めた。
成長も、悔しさも、誇りもにじむ報告に、はゆっくり頷きながら耳を傾ける。
一通り話が終わると、緑谷が突然「あっ」と声を上げ、鞄をごそごそ掘り始めた。
緑「あの……これホークスがちゃんにって!本と、あと伝言が……」
その名前を聞いた瞬間、の胸がわずかに跳ねる。
轟「マーカーの部分だけでも読んでおいて、2番目からのお願いだから…って言ってた」
緑「エンデヴァーとか、僕たちまでもらっちゃった!おすすめなんだって!」
だがその直後、黙っていた爆豪が舌打ちした。
爆「なんだか知らねぇが、あのヘラ鳥……をデートに誘いてぇとか言ってやがった」
「えっ、デート?」
の胸が一瞬、ざわりと鳴る。
──デート?
……ついこの前、離れる覚悟をしたのに。
どういうこと?
心の奥で重い疑問が沈んでいく。
だがその違和感を悟らせまいと、は努めて平静を装い、本を受け取った。
「わざわざありがとう」
そう言って笑顔を向けると、3人はどこか照れくさそうに目をそらした。
そろそろ行かないとと名残惜しそうに立ち上がる。
3人が去って扉を閉めた瞬間。
ふっと、支えていたものが抜け落ちるように胸が重くなる。
手元の本は、思った以上に重かった。
冷たい紙の感触が、ホークスの声と一緒に指先へじわりと残る。
——デート。
……あの人が、そんな軽い言葉を使うはずない。
わかる。
わかってしまう。
これは本心じゃない。
だからこそ、胸が痛かった。