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【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第50章 揺らぐ静寂、寄り添う想い ※


その一言で、爆豪と轟の眉がピクリと動く。
緑谷も思わず顔を上げる。

爆「……なんでテメェがその名前出すんだよ」
轟「……知り合いなのか?」

ホークスはいつもの笑顔を浮かべながら、しかしどこか探るような目をして答えた。

ホ「いやいや〜。前に職場体験で挨拶来てくれたろ?可愛かったからさ、今度デートでも誘おうかな〜なんて」

爆豪と轟の表情が一瞬で“最悪の顔”になる。

爆「…テメェみてぇなチャラついたやつに、気軽に触らせていい人じゃねぇんだよ」

轟も隣で静かに続ける。

轟「あの人が困るようなことは、しないでくれ」

その声音には、感情を抑え込んだ、嫉妬と警戒が滲んでいる。

ホークスは肩をすくめる。

ホ「そ?残念……あ、じゃあこれだけでも渡しといて〜」

ホークスは、自分と同じ本をひょいと掲げて笑った。

ホ「じゃ、インターン頑張って! それと、」

指をひらひらさせながら、軽い声で続ける。

ホ「先生にも伝えといて!マーカー部分だけでも読んでおいて!2番目のおすすめなんだから!!……って、絶対ね!!」

軽い。
いつも通りの調子。
それ以上でも以下でもないように見える。

そう見える“ように”完璧に作られた笑みを残して、ホークスは一瞬で空へ跳んだ。

上空へ舞い上がる羽音が、あっという間に小さくなっていく。

爆豪は眉をひそめ、本を持ち上げて眺める。

爆「クソが…、にちょっかいかけンじゃねぇよ」

轟は淡々と本を捲りながら、マーカーの多さに目を瞬いた。

轟「……多いな」

緑谷は、ホークスの言葉を完全に善意として受け取る。

緑「まぁ、戻ったらちゃんと渡そう!ね!」

爆豪は肩をすくめる。

爆「……あの鳥、いちいち余計なもん渡してくンなよ」

轟も軽く息をつき、特に深く考えることなく本を閉じる。

そのまま、3人は現場に戻るエンデヴァーの背中を追って走り出した。

誰も知らなかった。

それがへ宛てた警告であり、言葉を伝える唯一の手段であることを。
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