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【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第49章 降り積もる恋、滲む涙 ※微


顔色ひとつ変えたら疑われる。

頭ではわかっているのに、胸の奥は、凍ったみたいに痛かった。

ホ「……っ……」

喉の皮が剥けるみたいにひりつく。
吸っても吸っても、肺に空気が落ちてこない。
それでも逃げられない。
“拒否る”という選択肢は、もうどこにも無くされていた。

荼「どうする?」

その一言が、刃物みたいに喉元に当てられる。

ホークスはゆっくり顔を上げ、いつもの笑顔を、壊れそうな手で引っ張るみたいに作った。

ホ「……わ……っ、かったよ」

声が震えるのを、必死で押し殺して。
その“了承”の言葉に、荼毘は薄く笑った。

荼「さすがはナンバーツー、頼んだよ」

その一言で、ホークスの心臓は軋むように痛んだ。

を守りたいだけなのに。
あの笑顔を守りたいだけなのに。

倉庫の扉がギイと開き、荼毘が先に外へ出ていく。

残されたホークスは、その場に立ったまま息を吸った。

吸ったはずなのに、呼吸が入らない。

ホ「……っ、く……っ」

胸が潰れたみたいに苦しくて、羽の根元がビリビリ震えて、喉の奥から熱いものがこみ上げる。

“連れてこい”
その言葉が頭の中で何度も反響する。

連れていったら終わりだ。
でも拒否れば、世界が終わるかもしれない。

だから、飲むしかない。
でも飲んだら守れない。

ホ「くそ……っ……」

ポケットの中の拳が震える。
爪が掌を割って血が滲む。
それでも痛みのほうがマシだった。

倉庫を出て夜の冷気に触れた瞬間、ホークスは、笑顔の仮面がはがれ落ちそうになり、壁に手をついた。

ホ「…守るって……決めたのに……」

声がかすれる。
情けないほど震える。

ホ「……なんで……こんな……っ……」

夜風が頬を刺すのに、胸の奥だけ焼けるように熱い。

その熱は——怒りか、恐怖か、悔しさか。
それとも、を想う気持ちのせいか。

もう、自分でもわからない。

この世の中を、を守るためにスパイをしてるのに、を差し出さないと進めない任務を飲まなきゃいけない。

ホ(オレは……ほんとに……何を守ってんだ……?)

世界か。
それとも、たったひとりの大好きな女の子の笑顔か。

こんな条件、飲めるわけないのに。
でも飲まなきゃ、守れない。

その矛盾が、ホークスの心を静かに確実に引き裂いていった。
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