第49章 降り積もる恋、滲む涙 ※微
必死に、いつも通りの軽さを貼り付ける。
声を軽く跳ねさせるたびに、内側の血が一滴ずつ落ちていくみたいに。
ホ「いや〜連絡先も知らんし、雄英の先生連れ出すなんて無理でしょ。それに俺、女の子いたぶる趣味ないし」
荼「ナンバーツーならどうにでもなるだろ?」
ひとつも引く気がない声音。
荼「それともなんだホークス。に思い入れでもあんのか?」
心臓が、その一言で一瞬止まった。
でも笑う。
笑うしかない。
ホ「っは、まさか。…俺とアンタの繋がりがバレたらどうする」
荼「その辺は上手くやるさ」
ホ「あんたの単なる欲だけでそんなリスク犯せない」
ホークスも粘る。
荼「…欲とかそんな簡単なもんじゃねぇよ」
その目の奥に潜む色を見た瞬間、ホークスの背筋に冷たい汗が流れる。
ホ「へぇ?あんたでも恋とかするんだ」
荼「恋?そんな安い、気色悪ィ言葉で俺を括るなよ」
吐き捨てる声が、逆に本物の執着の深さを物語っていた。
ホ「まぁ、あんたの気持ちはどうでもいいけどさ。この前の仕事、俺だいぶ頑張ったんだけど?」
荼「ナンバーワンじゃ脳無のテストにならねぇだろ」
ホ「喜ぶと思ったのになぁ〜。俺の努力、全然届かんすね」
軽い調子を続けながら、頭の中では狂った速さで計算している。
どうやって守る。
どうやって避ける。
どうやったら、触れさせずに済む。
——考えろ、考えろ、考えろ。
だが荼毘は、獲物を追い詰めるみたいに微笑んだ。
荼「とにかく。を連れてこい。それが出来りゃ、お前を“認めてやる”」
そう背後から囁かれたみたいな感覚に、ホークスの羽の根元がじりじり逆立った。
振動が止まらない。
呼吸が浅くなる。
このままじゃ守れない。
でも渡したら壊れる。
どっちも選べないのに、選ばされる。
そんな地獄の入り口みたいな言葉だった。