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【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第49章 降り積もる恋、滲む涙 ※微


さらに、胸の奥から別の温度が次々と浮かび上がってくる。

あの夜、抱きしめてくれた強い腕。
ぶつけるように、でも迷わず向けてくれた熱。
言葉の裏に隠していた優しさ。

静かで、そっと触れただけで呼吸が落ち着く掌。
言葉よりも先に伝わる、あの柔らかい温度。
まっすぐな眼差しに触れた瞬間、胸の奥がじんわり揺れた。

そして、目の前で抱きしめてくれるこの腕。
離したくないのに、距離を測ってしまう臆病さ。
触れたいのを必死で抑え込む、震えた指先。

みんなの温度が、思い出が、想いが。
胸の内側でぶつかって、擦れて、ぐちゃぐちゃに混ざっていく。

(……苦しい……どうしたら、いいの……)

その苦しさがほんの一瞬表情に滲んだだけで、相澤は胸を刺されたように息を呑み、言葉を飲み込んだ。

相「……何を思い出した?」

逃げられない距離で覗き込む目には、優しさも、痛みも、嫉妬も、全部混ざっていた。

触れた指先がの震えを拾った瞬間、の呼吸がふっと乱れる。

「少し……ごちゃごちゃして……」

相「……誰を、思い出した?」

その問いは優しいのに、逃がさない。
胸の奥を刺すように真っ直ぐだった。

ホークス。
爆豪。
轟。
そして、すぐ目の前にいる相澤。

全部ぐちゃぐちゃで、正しい答えなんてわからない。

「……わからないんです。もう」

その言葉に、相澤は一度だけ深く目を閉じた。
次に開いた目は…驚くほど、苦しくて優しい。

相「……整理しろなんて言わない」

そっと肩に手を回し、抱き寄せる。

爆豪みたいに火傷するほど熱くもない。
轟みたいに真っすぐ刺すようでもない。

ただ、守るように、包み込むように温かい。

望んじゃいけないのに、願ってしまう抱擁。

相「……泣きそうな顔するな」

触れたいのに触れられない。
欲しいのに、求めてはいけない。

その葛藤が、震えた手のひらで全部伝わってくる。

相「苦しいなら……そのまま、全部俺にぶつけろ」

優しさが優しすぎて、逆に刺さる。
胸の奥をぎゅうっと掴まれるように痛いのに、どうしようもなく、温かい。
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