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【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第49章 降り積もる恋、滲む涙 ※微


寮に戻ると、今度は轟が静かに声をかける。

轟「……なぁ、ちょっといいか」

声は落ち着いているのに、どこか急いている。
そのまま、ツリーの灯りが反射する窓辺まで誘われる。

ふたりきりの小さな空間。
外の雪がちらついて、まるで舞台装置みたいに美しい。

轟「これ。渡したかったんだ」

差し出された袋の中には、柔らかいグレーの手袋。
淡い色で、派手ではないけど、触れた瞬間にわかるいいもの。

「わぁ…すごく素敵…!」

轟は、視線を少し落として言う。

轟「俺、こういうの……初めてで。何をあげていいか、全然わかんなかった」

言葉はたどたどしいのに、眼差しはまっすぐ。

轟「……でも、には……こういうのが合う気がした。…俺が勝手に、そう思った」

“触れたい人の手を守れるものを”。

そして、の手を取って片方をそっとはめてくれる。

その手はひんやりしていて。

だけど、触れ方は驚くほど丁寧で優しい。

轟「……あったかいな。……こっちの手も、いいか?」

が頷くと、轟はもう片方の手もそっと包み込む。

手袋越しでも伝わる、静かな熱。
触れた瞬間、ほんの短い間、轟の指がの手を握り返した。

触れたかった気持ちが、そこだけ濃く滲んでいる。

最後に、轟は息を整えるように小さく囁いた。

轟「…その、喜んでくれたなら……俺も、嬉しい」

そして手袋の端を直してやりながら、気づかれないと思っているのか。
そっとの手を包み込む。

ほんの一瞬。
でも愛しさだけは隠しきれない。

離れる間際、轟はわずかに息を吸って、恋人に言うみたいな優しい声で言った。

轟「……似合ってる。……かわいい」

その言葉には頬を染める。

離れた指先が名残惜しげに震えているのは、轟自身も気づいていなかった。
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