第49章 降り積もる恋、滲む涙 ※微
爆「……オイ、来い。」
腕を軽く掴まれ、人気のない外へ連れ出される。
「勝己…、どうしたの?」
爆豪はポケットに手を入れたまま、いつもの不機嫌そうな顔だけど、どこか落ち着かない様子。
爆「こういうの、あんま柄じゃねンだけどよ」
乱暴に差し出されたのは、シンプルな黒い箱。
開けると、深い黒の上質なマフラー。
爆「寒ィだろ。いつも」
ぶっきらぼうなのに、どこか心配が滲んでいる。
爆「ほら。つけんぞ」
「え…、勝己が?」
爆「……文句あんならやめるけど」
言いつつ、もう手を伸ばしてくる。
爆豪は丁寧にマフラーを巻いてくれる。
指先がかすかに首に触れ、その仕草が妙に優しい。
爆豪は黒いマフラーを巻き終えると、その端を軽くつまんで形を整えた。
爆「……これでいい」
その指が一瞬、迷うようにの首元をかすめる。
ほんの一瞬。
何も気づけないほどの短さ。
黒を選んだ理由も。
触れた位置も。
は知らない。
相澤からの、あのネックレスを隠すためのもの。
そして爆豪は息を呑んだ。
マフラーに包まれたを見た瞬間、何かが切れたみたいに。
爆「……っ、悪ぃ。」
そして、衝動に負けるように、ぐいっと抱き寄せた。
冬の冷たい空気を断ち切るような、熱い腕。
「っ……!?」
爆豪の胸は熱い。
腕は震えてるのに、絶対に離そうとしない。
爆「……冬は調子がクソでよ」
耳元で、低く、苦しそうに。
爆「……だから、ちょっとでいいから……温もり、貸せ」
その声が、胸の奥をぎゅっと締め付けた。
離す前、爆豪はそっと、の頭の上に額を当てる。
爆「……風邪引くなよ」
それだけ言って背を向けたが、その横顔には、言い切れなかった想いがはっきり滲んでいた。
ずっともっと抱いていたい、触れていたい。
そんな衝動を、必死で押し殺したみたいに。