• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第48章 乱れる鼓動、還る温度


バーンッ!!
黒鞭が霧散し、空気が一気に静かになった。

ブ「全員退避! 訓練中断だ!!」

その叫びと同時に、相澤が地面を蹴った。
迷いなんて一切なく、ただへ一直線。

地面に倒れたを見た瞬間、相澤の心臓がわずかに跳ねた。

相「……っ!」

膝をつき、すぐに背と頭を支えて抱き上げる。
その手つきは驚くほど優しくて、今まで保っていた“触れない距離”なんて一瞬で吹き飛んでいた。

相「聞こえるか……? 」

返事はない。
相澤の喉が小さく鳴る。

少し離れたところで緑谷が膝をついて震えていた。

緑「……っ……ちゃん……っ……ご、ごめ……ごめんなさい……!僕の……せいで……!」

拳を握りしめ、声を震わせながら必死に謝り続ける。
その肩は何度も跳ね、涙を必死にこらえていた。

だが相澤の耳には、その声すら届かない。
ただ腕の中でぐったりしているだけが、世界のすべてだった。

その時。
のまつげが、かすかに揺れる。

相「……っ……!!」

その名を絞り出すように呼ぶ。
の瞳がゆっくりと開き、ぼやけた視界が少しずつ形を取り始める。

そして最初に映ったのは、すぐそばで自分を抱きかかえる相澤の顔。

その瞳の奥に宿る、深くて激しい“想い”が胸を掴む。
夢で見た愛しい人を見つめる、あのまなざし。

「……消太、さん…?」

その声を聞いた瞬間、相澤はほんの一瞬だけ、心底ホッとしたように目を伏せた。

すぐにいつもの冷静な顔に戻るが、その表情の奥には、隠しきれない動揺があった。

相「無茶するな。……本当に、心臓が止まるかと思った」

言葉は低く淡々としているのに、声が震えている。

はぼんやりしたまま、相澤の服を指先でつまむ。

「……心配……しました?」

相澤の眉がわずかに揺れる。

相「当たり前だろ」

喉の奥の言葉が詰まった。
それがどれだけ心配したかを示していた。
/ 740ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp