第48章 乱れる鼓動、還る温度
そんな騒がしい光景の少し後ろで、心操が静かにその様子を見ていた。
心(……すげぇな。本当に人を惹きつけるんだ)
グラウンドに出た時、が心操の装備を確認しながら優しく声をかけてくれたことを思い出す。
「人使、焦らず頑張ろうね!」
その一言が、まだ胸に残っている。
心操は、ほんの少しだけ視線を伏せた。
心(……俺なんかが、あそこに混ざれる日は来るんだろうか)
目の前でを取り合う生徒たちを見ながら、心操の指先が、無意識にぎゅっと拳を握る。
心(あの人の近くに立てるくらい……強くならないとな)
その瞳は、静かに強い決意を帯びていた。
がその心操に気づき、優しく声をかけた。
「人使なら大丈夫だよ」
たったそれだけなのに、心操の表情がかすかに揺れた。
心(……そんな言い方されたら、期待するだろ)
胸の奥が、静かに熱くなる。
訓練が始まると、全体は白熱し、も教師として走り回っていた。
そして緑谷の班vsB組+心操の対戦中。
“それ”は起きた。
緑谷の腕から、黒い雷のような“何か”が一気に噴き出した。
バンッ!と空気が弾ける音。
初めて見る光景に、の心臓は飛び跳ねた。
なんだか様子がおかしい。
「出久っ…!?」
相「っおい!!」
爆「!」
誰よりも早く、2人が叫ぶ。
はその声よりも速く駆け出し、緑谷へ飛び込むように胸にしがみついた。
だが暴走した黒鞭は、暴風のように荒れ狂い、緑谷もも、容赦なく振り回されていく。