第48章 乱れる鼓動、還る温度
その次の日から。
職員室でも、授業でも——
相澤は穏やかなまま、しかしどこか“触れない距離”を保っていた。
話せば普通。
仕事の相談にもいつも通り応じてくれる。
違和感なんて、気付かないくらい。
けれど。
ふとした瞬間に目が合うと、必ずすぐに逸らされる。
それだけが胸に刺さる。
自分が、あの夜。
差し伸べられた相澤の優しい手を掴まなかったから。
逃げたのは自分のほうだと分かっているのに。
距離が戻らないままの今が痛くて仕方がなかった。
爆豪も、さりげなく気にしているのが分かった。
いつもより視線を向けてくる回数が増え、「大丈夫か」と、低く呟いてくれたり。
何も聞かれないのに、何も言わずにそばにいてくれる、その無言の気遣いが余計に胸を締めつけた。
そんな空気を抱えたまま迎えた、A組とB組の合同訓練。
グラウンドγ。
この日はA組とB組の対抗戦。
さらにC組から心操が参加して、全体はいつも以上に熱気に満ちていた。
開始前の準備中、いきなり大声が響いた。
物「いや〜今日は絶好の機会だよねぇ!?A組をまとめて倒して、先生をB組に“移籍”してもらうっていう!さぁA組!白黒つけようか!?」
切「は!? なんでそうなんだよ!」
物「だってぇ? B組には癒やしが足りないんだよ!」
爆「は?誰が渡すかボケ!!」
拳「もーやめろって物間!先生、B組にもよく来てくれるじゃん!」
物「でも肩書きはA組副担任じゃん!?そんなの不公平じゃん!?」
その後ろで青山がキラキラしながら言う。
青「先生は〜〜ボクらの光なのデス!!」
さらに瀬呂や芦戸も加わり、開始前なのにもう小競り合い祭り。
いつもの流れに、もう相澤とブラドは呆れている。
は困りながら、
「み、みんな……!そろそろ訓練しよ?」