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【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第47章 揺れる心、ほどける夜 ※微


爆豪の唇が離れたあと、屋上に静寂が落ちた。

風の音さえ遠く感じる。

額を触れ合わせているから、爆豪の呼吸がすぐそこにある。

は、胸に手を当てたまま動けなかった。

(どうしよう……どうして……こんな……)

さっきまで泣き疲れて重かった心が、爆豪の一瞬のキスでまた大きく揺れ出す。

罪悪感もある。
相澤の顔も、ホークスの声も、頭をかすめる。

なのに――

爆豪の手の温度が離れなくて、「好き」が、胸の奥で何度も響いてしまう。

喉がつまって言葉が出ないを、爆豪はじっと見て、ゆっくり腕を下ろした。

逃げるでもなく、責めるでもなく。

ただ、真正面から受け止めてくれる目。

爆「……答えなんざ、今すぐ出さんでいい」

低い声が夜気に溶ける。

爆「気持ちぐちゃぐちゃだってのも……全部わかっとる」

爆豪は苦しそうに笑う。
悔しそうで、でも優しくて。

爆「だから、無理に選べなんて言わねぇよ」

ははっと息を吸う。

爆豪はゆっくり手を伸ばし、さっき涙を拭った場所を、もう一度そっと指でなぞった。

爆「……でもな」

一拍。

表情が、爆豪勝己の“本気”になる。

爆「俺がどれだけお前を好きかだけは……ちゃんと刻んどけ」

心臓が跳ねる。

爆「今はまだ、他の誰見ててもいい。迷っててもいい」

そして、声が少し震えた。

爆「……でも俺のこと、軽く見んなよ」

静かに、でも力強く。

爆「最後はぜってー、ちゃんと奪りに行くから」

逃げ道なんてどこにもない。

でも不思議と、怖くなかった。
重さよりも、安心が勝った。

の目から、また涙がひと粒、こぼれ落ちる。

爆豪はそれを親指で拭って、今度は触れない距離で顔を見つめた。

爆「……ほら。そろそろ泣き止め」

ほんの少し赤くなった耳を隠すように、風が爆豪の前髪を揺らした。
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