第47章 揺れる心、ほどける夜 ※微
夜の校舎前。
外灯の下に、相澤が立っていた。
相「……遅かったな」
その声が優しすぎて、胸が軋む。
今だけは、会いたくなかった。
目を見れば揺れてる気持ちが全部バレる気がした。
「……ごめんなさい。ちょっと……疲れただけで……」
笑おうとしても、上手くいかない。
相澤は眉を寄せ、少しだけ近づいた。
相「どうした?顔色が悪い。……送っていく」
優しさが刺さる。
その優しさが今いちばん苦しい。
「……大丈夫です。ひとりで帰れます……」
心配してくれているのに、それさえ受け止められない自分が嫌になる。
相澤の手がふっと止まった。
その表情が、ほんの一瞬だけ曇る。
相「……そう…か」
心配している。
わかる。
でもいま、その優しさを受け取る余裕がにはなかった。
「すみません…」
歩き出したの背中を、相澤は黙って見送る。
いつもなら、どんなに拒まれても腕を掴んででも止めてきた。
なのに。
今日は——なぜか、手が伸びなかった。
ゆっくり開いた指先が、宙で寂しげに揺れる。
まるで“触れたい相手を触れずに見送るしかない”虚しい仕草のように。
相(……なんで、引き止められなかった)
自分でも理由がわからない。
ただ胸の奥が、ひどく痛かった。