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【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第47章 揺れる心、ほどける夜 ※微


苦しさと優しさが滲む、どうしようもない声だった。

ホ「……離れるのも、黙るのも……全部、俺が選んだことたい。けど……気持ちだけは、もう濁せんかった」

それが最後の限界だったように、ホークスは一歩下がった。

そして、羽根をなくした翼が大きく揺れる。

ホ「……ありがとう。持っててくれるって言ってくれて」

一瞬だけ笑う。
けれどその笑みは、翅の影に隠そうとしても隠しきれないほど寂しい。

ホ「じゃあ……行くね。ここにおると、また甘えそうになる」

が手を伸ばそうとした瞬間には、ホークスはもう、半分背中を向けていた。

赤い羽根がひとつひらりと舞う。
ホークスの歩く方向へ吸い込まれるように。

ホ「……大丈夫。絶対にちゃんと、守るけん」

その背中越しに落とした声だけが、にとっては、どんな誓いより重かった。

扉が静かに閉まる。

残されたのは、の手のひらにある、まだ温かい羽根ひとつ。

胸が、ずっと痛い。

離してくれたのに。
離れる必要があるって、わかってるのに。

どうしてこんなに寂しいの。

相澤のくれたダイヤの重さ。
ホークスの託してくれた羽根の熱。

2つが胸元で重なって、どっちへも傾けない心臓が、静かに苦しんでいた。

「……っ……」

堪えきれず、肩が震える。
涙が一粒落ちた瞬間、羽根を胸にぎゅっと抱き寄せた。

忘れたいのに忘れられない。
選びたいのに選べない。
逃げたいのに、心がついていかない。

「ぅっ……うぅ…」

床が大量の涙を吸い込んでいく。

胸の奥で、苦しさと温かさがぐちゃぐちゃに混ざっていた。

会場を出る頃には、もう誰もいなかった。
静まり返った廊下をひとり歩き、そのままタクシーに乗って雄英へ戻る。
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