第47章 揺れる心、ほどける夜 ※微
ランキング発表が終わり、ざわつく会場の空気を抜けて控え室へ戻る途中。
は、シンリンカムイと軽く会話をしながら歩いていた。
シ「帰り、車乗ってくか?」
「え!いいんです…」
ホ「はーいはい、シンリンカムイさん。ちょっと俺、雄英の子のお話あるんで、この子借りまーす!」
ふいに軽い声が割り込んだ。
その声だけで、の心臓がひゅっと縮まる。
ホークスが、そこに立っていた。
金の瞳がやさしく細められ、ふっと笑う。
ホ「久しぶり、元気してた?」
平然とした、いつもの余裕の声。
会いたくなかった。
話したくなかった。
忘れたはずだった。
なのに胸はとんでもなく跳ねていて。
シ「雄英の子?」
ホ「そうそう。職場体験で受け入れた常闇くんの話をね。ね?ちょっとだけ時間ちょうだい」
軽い仕草で の腕を取った。
──けれど。
掴む手の力は、笑ってしまうほど強かった。
シンリンカムイは、「ではまた」と去っていった。
ホークスは一言も喋らず、ぐい、とを自分の控室の中へと引き込んだ。
ドアが閉まった瞬間。
「……っ!!」
背中を壁に押しつけられ、強く、抱きしめられた。
羽毛の香りが、息を奪う。
腕の力が震えている。
ホ「……会いたかった」
耳元で、抑えきれなかった声が落ちる。
「っ……!!ちょ……やめ……!」
必死に押し返そうとするけれど、腕はびくともしない。
ホ「……ごめん。会ったら……また抑えられんくなるって……わかっとったのに」
羽の擦れる音が、切羽詰まった呼吸を震わせた。
腕を振り払おうとした、その時。
ホ「……ずっと、しんどかったんだ」
耳元へ落ちた声は、乾いた痛みに満ちていた。