第47章 揺れる心、ほどける夜 ※微
そしてヒーロービルボードチャートランキング発表当日。
は会場へ向かい、できる限り顔を合わせないよう、控え室の隅に身を潜めていた。
壇上に立つトップヒーローたちとは違い、自分は相部屋で、初対面のヒーローに挨拶を返しながら静かに時間を待つ。
「そろそろお時間です!」
スタッフの声がかかり、広い会場へと足を踏み入れる。
報道陣のフラッシュ、観客のざわめき。
胸が圧迫されるような空気の中、指定の席へと腰を下ろす。
10位から順に名前が呼ばれ——
リューキュウ、ヨロイムシャ、ウォッシュ、シンリンカムイ、クラスト、ミルコ、エッジショット、ベストジーニスト。
そして。
「2位!ウイングヒーロー、ホークス!」
「っ………」
その名が響いた瞬間、反射のように目がステージを探していた。
視界に入ったホークスの姿。
その一瞬で心臓が跳ね上がる。
1位エンデヴァーの名前も、拍手も遠い。
ただ、自分の鼓動だけがやけに大きく鳴っていた。
もう、忘れたと思っていたのに。
もう別の人の温度で、上書きされたと思っていたのに。
たった一目で、胸の奥に封じたはずの熱が、すべて蘇る。
そしてほんの一瞬ホークスと目が合った“気がした”。
「っ……」
他の人のコメントなんて耳に入らないくらい。
逃げたくなるのに、目が離せない。
気づけば心が、完全にホークスへと引き寄せられている。
4位のエッジショットが話している最中、ホークスがいつもの調子で口を開いた。
ホ「もっとヒーローらしいこと言ってくださいよ〜」
あぁ。この声だ。
の胸がまたぎゅっとなる。
軽くて掴めないのに、一度触れたら離れてくれない声。
ふと、エンデヴァーへマイクが渡る。
エ「若輩にこうも煽られた以上、多くは語らん」
姿勢を正し、静かに、力強く言い放つ。
エ「俺を、見ていてくれ」
「炎司さん…」
その言葉に、つい最近聞いた別の声が重なる。
------轟「いつか、選んで貰えるように…頑張るから。…見てて欲しい」
やっぱり親子だ。
呆気に取られる会場の中、ホークスだけが軽く、けれど確かなリズムで拍手した。
その音だけが、の胸に刺さるように響いた。