第46章 抑えきれない想い、残った温もり ※
コンコン、とノックをして校長室へ入る。
「失礼します」
校「おや、どうしたんだい?」
いつもの穏やかな笑顔。
けれど、その優しい声を聞いた瞬間、は少しだけ言葉に詰まった。
さっきの出来事を、そのまま口にするのはやはり照れくさい。
視線を泳がせ、小さく息を吸う。
「実は……あの……前に話していた、出久の……」
そこまで聞いた校長は、はっと目を見開いた。
すぐに全てを察したように、小さく頷く。
校「うん、そっか」
静かな返事。
校「それで、何か変化があったのかい?」
はゆっくり胸へ手を当てる。
「それが……、何か変なんです。言っていた…、個性が強くなった…そういう感じとも違う気がして。でも、胸の奥に何かがあるような……。そんな感覚なんです。自分でも上手く説明できなくて……」
校長は腕を組み、静かに考え込む。
そして、ぽつりと呟いた。
校長「オールフォーワンが言っていた、"愛によって力は増す"。……あの言葉の通りなら、個性そのものが強くなるのかとも思っていたが。でも、君の話を聞く限り、そういう変化ではなさそうだね」
「はい…多分。力が強くなった、というより……違和感だけが残っている感じで」
校長は一度頷いた。
校長「個性は使ってみたかい?」
「あ……」
は目を逸らし、少しだけ頬を赤くする。
「い、いえ……。あの……起きて、そのまま校長先生のところへ来たので……」
校「そうか」
優しく笑う。
校「それなら一度試してみよう」
校長は机の受話器を手に取り、内線を繋ぐ。
校「もしもし、リカバリーガール。少し怪我をした生徒がいたら、一人こちらへお願いしたいのさ!いるかな?」