第46章 抑えきれない想い、残った温もり ※
緑谷はをゆっくりと離し、しっかりと目を見る。
優しくて綺麗で淀みのない瞳。
「いず……っん」
名前を呼ばれる前に、もう一度を抱き寄せ口に蓋をした。
後頭部に手をやり、包み込むようにキスをする。
溢れ出る衝動を押し殺し、怖がらせないように優しく丁寧に。
「は…っ…」
唇を離すと、トロンとした目で緑谷を見つめる。
緑「ちゃん……僕…もう…」
そこまで言って、緑谷の中の衝動が弾けた。
「んんっ!?ん…んぅ…」
先程とは全然違う。
貪るような、激しい、緑谷らしくないキス。
そのまま緑谷はを強く抱き寄せながら一歩ずつ歩みを進める。
後ずさったの膝裏がベッドに触れ、腰が落ちた。
ぎしり、とベッドが小さく軋む。
緑谷もゆっくりとベッドへ上がった。
逃がさないように。
静かにを見下ろす。
その瞳に映るのは、だけ。
けれど、その目はいつもの緑谷ではなかった。
優しく笑う余裕も。
慌てて目を逸らす照れもない。
ただ、どうしようもなく溢れ続ける想いだけが、その瞳を揺らしていた。
は思わず息を呑む。
こんな緑谷を、見たことがなかった。
まるで、長い時を越えてようやく大切な人に触れられたような。
そんな、切なくて苦しい表情だった。
緑「…ちゃん」
掠れた声。
何度も心の中で呼んできた名前。
ようやく口にできたその一言は、あまりにも切なく響いた。
「うん」
優しく返事をする。
そのたった一言だけで、張り詰めていた糸がまた一本切れる。
緑谷は震える手での手を包み込んだ。
大切そうに。
愛おしそうに。
その手の温もりを確かめる。
緑「いい?」
は微笑みながら小さく頷く。
その笑顔が、緑谷の最後の理性を優しくほどいていく。
2人の距離が、ゆっくりと縮まる。